MMORPGの閉塞感の理由をRPGと比較して考える
正直間を空けすぎなわけですが、そ知らぬ顔で前回の続きを。
先日出したRPGの三要素に対応させてMMORPGに感じる閉塞感の理由を考える
1;ストーリー→ない
2:中心人物に→なれない
3:レベリング→ある
ひどく単純化して書いてるけどこう書くとMMORPGのデザイン上の問題点がわかりやすい
要はMMORPGにはストーリーが存在しないのにレベリングだけがあるということ
以下検証
1:ない。世界観のためのエピソードが存在するのみ
2:ない。世界観のためのエピソードの積み重ねがバックボーンとして存在するだけであり
プレイヤーの行為が世界に影響を及ぼすことはできない
3:ストーリーはないくせにこの部分だけが強調され特化されている。
つまりただ「強くなる」という行為だけが存在する。
それも、漫然と時間を積み重ねれば誰もが同じ強さになれる。
本来、RPGにおいてレベリングとストーリーは有機的に結びついているもので
ストーリーがあってこそのレベリングであり、レベリングあってこそのストーリーであるはずなのに
MMORPGにはレベリングだけが取り残されてしまった。
MMORPG全体に感じる閉塞感の一つの大きな焦点は、
「レベリングという行為、キャラクター自体の成長という概念に面白みのある意味づけができるのか?」
ということになる。オフラインRPGの延長としてMMORPGをイメージした場合
RPGというジャンルがもともとキャラクターの成長こそが根幹であったことを考えると
「レベルリングゲーム」は至極真っ当なアプローチでもあったと思う
が、MMORPGでのレベリングが問題なのは、キャラクターの成長の過程~先で
プレイヤーは決して世界を救う勇者なんかになることはできないということ
何故ならプレイヤー全員に「世界で一人しかいない勇者」の役割を与えることなどは不可能だし、
それ以前に、MMORPGという形式の商売には世界の危機もエンディングも訪れちゃいけない=終わりのある物語はあってはならない。
だからMMORPGにストーリーは存在できないし
よってレベリングという行為にも意味を付加することはできない。
ではMMORPGには本当にレベリングだけが取り残されてしまったのか?ストーリーは存在しないのか?
そういうわけではない。MMORPGには「プレイヤー同士が作る物語」などという売り文句がある
オフラインRPGを構成する三要素と照らし合わせて話を進めたけど
MMORPGにはオフラインRPGにはないオンラインゲームならではの要素がある。それは
4:他人がいる
ということ。そう、MMORPGにもストーリーはあるのだ。
それはRPGのようにゲーム側から提供されるものではなく、
プレイヤー各人がゲーム空間を通してそれぞれが頭の中で醸成するストーリー。
ではNPCとの戦闘によるレベリングがメインとなる空間を他人と共有することで
各人の頭の中で白紙状態のストーリー部分に何が代入されるか?
1つ目は、NPCとの飽くなき戦い。人間達vsNPCという図式の中から生まれる「馴れ合い」の話。
2つ目は、プレイ時間を積み重ねていくだけの歪な「俺tueeee」の話。
どちらもメーカーにとっての効率のいい課金継続になるお話。
(追記)
レベリングゲームばかりではさすがにプレイヤーから批判の声もあがる
だから一応レベリングゲームから抜け出すために昨今のMMORPGは色んな試みがなされている
・・・ように一見すると思えるのだが、
そのような新作の中でもいまだレベルとレベリングという概念は当然のように重要構成要素として配置されており、それが足かせとなって
結果、既存のMMORPGから脱却しきれていない(する気がない)中途半端なものに留まっているように思う
色々と自分に都合のいいように乱暴に書いてますが、
MMORPGの閉塞感を構造的に考えてみようという話でした
明日はMMORPGに「昔はあった」ストーリーの話